モンゴル国立現代美術ギャラリー

2 最小読み取り · May 17, 2022

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モンゴル国立現代美術ギャラリー

モンゴル国立現代美術ギャラリーでは4300点の作品を貯蔵しており、その7~8%を展示しています。モンゴルの現代美術史は20世紀初めごろのB・シャラヴの作品に遡ります。1989年までザナバザル名称美術館の一部でしたが、独立してから、ザナバザル名称美術館には20世紀以前の作品を展示するようになりました。

「アジア大洋州諸国の美術」誌では当地域67ヵ国の芸術、美術、歴史にクローズアップした特集を年に一度出していますが、2011年はモンゴルの芸術でした。当誌によれば、モンゴルの造形美術は元の時代にさかのぼるそうです。

元時代のモンゴルの造形美術は王族や貴族の肖像画、戦争や歴史的な出来事が起こった場所、その特徴を表した、モンゴル、中国、ペルシャの芸術家による作品が主です。北元時代になると、平和を願う説得力のあるものが特徴になってきました。

続いて、東洋の大芸術家ザナバザルの作品がモンゴルの美術を継いでいきました。ザナバザル作の菩薩像、仏画ではモンゴル人女性の美を神的に賛歌していることを私たちは知っています。20世紀は、200年近くの満州侵略がもたらした愛国心を基に、モンゴルの美術は大きな変化を遂げました。

B・シャラヴ作「モンゴルの一日」がのどかな日常を描いているのに対し、20世紀半ば頃のモンゴルの美術はより動きの活発さが表現されるようになったのが興味深いです。「種馬の争い」が伝統的なモンゴル画に改革を巻き起こし、「一仕事終えて」はモンゴルの忙しい一日の現代を綴るものです。

20世紀後半ではG・ソーソイを始めとする画家たちが、新しい表現の仕方をしているのを国立現代美術ギャラリーで見ることができます。また、4代目と言える芸術家達による作品も当ギャラリーにあります。

ギャラリーは近年、モンゴル芸術委員会との強い連携の下で多くの企画を実施しており、政府もモンゴルの芸術発展につながる具体的な事業を展開しています。

D・エンフボルド